虹色空間から~

日々の生活で興味あることを綴ります

映画『ノマドランド』

監督:クロエ・ジャオ

出演:フランシス・マクドーマンド/デヴィット・ストラザーン/リンダ・メイ

製作国:アメリ

製作年: 2020年

 

物語:

アメリカ・ネバダ州エンパイア。リーマンショックにより工場と街が閉鎖され、街に住んでいた60代の女性ファーン(フランシス・マクドーマンド)も住み慣れた家を失ってしまう。彼女はキャンピングカーに荷物を積み込み、車上生活をしながら現代の「ノマド(遊牧民)」として過酷な季節労働の現場を渡り歩くことを余儀なくされる。

 

感想:

「ホームレスではなくハウスレス」と言うファーンの言葉が印象的でした。違いは?映画を観ると伝わってきます。自分が愛着を持っていた場所が強制的に失われるというのは切ないことです。その場所に居続けたいと願ってもできない、戻ってきても街が廃墟と化している、心の拠り所を失い、キャンピングカーに全てを載せ、生活していく。それは、自分の心の拠り所を再び失わないという決意のように感じました。同じように「ノマド」として生活する人々も様々な事情を抱えていて、それぞれが自分の考えを持って、精一杯の日々を過ごしています。現在が抱える問題をさらりと織り込みつつ、雄大な自然と人の力強さが、何とも言えない感動がジワジワと広がる作品でした。