虹色空間から~

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映画『オッペンハイマー』

監督:クリストファー・ノーラン

出演:キリアン・マーフィー/エミリー・ブラント/マット・デイモン/ロバート・ダウニー・Jr.

製作国:アメリ

製作年:2023年

 

物語:

イギリスとドイツで学んだ物理学者のロバート・オッペンハイマー(キリアン・マーフィー)は、第二次世界大戦で核開発を急ぐ米政府のマンハッタン計画において、原爆開発プロジェクトの委員長に任命される。1945年7月、ついに原爆の実験に成功し、8月には原爆は広島・長崎に投下される。威力を目の当たりにし、恐るべき大量破壊兵器を生み出したことに衝撃を受けたオッペンハイマーは、戦後、さらなる威力をもった水素爆弾の開発に反対するようになる。1950年代、赤狩りの嵐の中、過去に共産党員との関りがあったことで、スパイ容疑をかけられ、聴聞会がひらかれる。

 

感想:

今年のアカデミー賞の作品賞を受賞した作品です。上映時間は3時間。それが一瞬で過ぎ去ったかのように感じる濃厚な内容でした。時間軸がいったりきたりするので、少し戸惑うこともありますが、そんなことも気にならないくらいでした。マンハッタン計画オッペンハイマーと言う名は聞いた事がありましたが、原爆の開発に関わったぐらいしか知りませんでした。それが、赤狩りでスパイ容疑をかけられ、不遇な人生後半を過ごしていたとは思いませんでした。

この映画の最大のクライマックスは原爆の実験が成功する場面ですが、「この原爆が広島や長崎に落とされたのか…」と思うと何とも言えない気持ちになりました。オッペンハイマーが広島に原爆を落とす前、効果を最大に活かす高さなどを提案している姿は、効果が大きいとそれだけ犠牲者がでることは頭になく、成果だけを気にかけていました。また、地上戦になると日米に多大な犠牲者がでるから避けるために犠牲者が少ない方を選ぶという議論は戦争とはそう言うものなのか!と改めて感じました。しかし、原爆が完成してしまうと、学者の手をはなれ、政治が深く関わり、コントロールすることが難しくなってしまう…身をもって体験したオッペンハイマーは水爆の完成に反対していくようになったのかなと思いました。なかなか複雑な人物のようで、映画だけでは理解できませんでしたが、大変興味深い人物だなぁと思いました。