虹色空間から~

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映画『日本のいちばん長い日』

監督:原田眞人
出演:役所広司本木雅弘松坂桃李山崎努堤真一/神野三鈴
製作国:日本
製作年:2015年

物語:
1945年。東京も空襲をうけ、太平洋戦争での戦況が悪化する日本は連合軍が突きつけたポツダム宣言の受託し降伏するか本土決戦に突き進むかを議論する閣議が開かれるが結論を一本化できずにいた。やがて広島、長崎に原爆が投下され、日本を取り巻く状況はさらに悪くなっていく。全国民一斉玉砕という案も取り沙汰される中、鈴木貫太郎内閣総理大臣(山崎努)はポツダム宣言受託にむけて尽力し、阿南惟幾陸軍大臣役所広司)は本土決戦を主張する陸軍のトップとして難しい決断に苦悩していた。そして昭和天皇本木雅弘)のポツダム宣言を受託したいという聖断で終戦に向けての歯車が回り始める。しかしそのころ、畑中健二少佐(松坂桃李)ら若手将校たちは終戦に反対するクーデターを画策していた。

感想:
日本の戦争がどのような終わり方をしたかが描かれているのですが、最後の最後までゴタコダする軍や大本営の様子を見ていると、こんな集団が戦争をすすめていたら、これでは負けてしまう…と思いました。若い陸軍の軍人が上層部の命令に反してクーデターを起こそうと暴走することが軍の機能がマヒしているあらわれです。客観的な立場から見るとどう考えても負け戦なのに「負けていない」と言い張る姿は滑稽でもあります。また、入場時に玉音放送の原文と現代語訳が書かれた紙を渡されたのですが、それを読むと戦争に負けたとは一言も書かれていません。さらに、戦争に巻き込まれた国民に対する謝罪の言葉はありません。私にとってはとても曖昧な言い回しばかりで良く分からないといのが感想でした。そして、映画の中で内閣も軍も国体が守れるかのその1点のみが重要で国民の命などは考えていないありさまが何度も出てきて、このような考えが充満してしたので玉砕や特攻など普通に考えたらあり得ない命を軽んじる命令が出されていったのだなと思いました。
今後もし戦争になったとしたら…同じようなことが繰り返されるのでは…と思うのは、今の政治家の右往左往を見ているとあり得るとうなずいてしまいます。また、国民性は早々に変わらないと思います。なので、戦争を起こさず平和を維持していくことの大切さを改めて感じました。