虹色空間から~

日々の生活で興味あることを綴ります

レ・ミゼラブル

出演:ヒュー・ジャックマンラッセル・クロウアン・ハサウェイ/ヘレナ・ボナム=カーター他
製作国:イギリス
製作年:2012年
 
物語:
19世紀のフランス。ジャン・バルジャン(ヒュー・ジャックマン)は、パンを盗んだ罪で19年間投獄され、仮釈放される。しかし、投獄された過去のため働き口もなく彷徨う。貧しさから、お世話になった教会で再び盗みを働くが、司教が「差し上げたのです」と言い赦してくれて、その慈悲の心に身も心も生まれ変わろうと決意する。名前を変え、工場主として成功を収め、市長の地位に上り詰めたバルジャンの前に、刑務所で勤めていたジャベール(ラッセル・クロウ)が警官として現れて…。
 
感想
ヴィクトル・ユーゴ作の「レ・ミゼラブル」(日本では「ああ無情」とも言われる)を原作としたミュージカルを映画化した作品です。ミュージカルものはあまり好きではないのですが、予告の迫力に好印象を持ったのと「王様のスピーチ」を監督したトム・フーパーの作品であることに興味をもち、鑑賞をしました。
物語がほぼ全て歌詞で展開されていくミュージカル映画は初めてで、ちょっと戸惑いました。字幕を読んでいるので、歌をうたっていても役者がセリフを言っているのと同じ感覚で字幕を追うのですが、テンポがゆっくりで比喩的な表現が多いので、やはり感覚が違いました。しかし、字幕の表示時間が長いので、じっくり読むことができ、言葉がより心に伝わってきました。
また、歌とミュージカルの違いをはっきりと感じました。今まではセリフのおまけに歌があるような感覚だったのですが、役者が感情を込めて歌いあげると、強い感情が伝わってくることを知りました。数年前話題となったスーザン・ボイルが歌う「夢やぶれて」を何度が聞きましたが、やわらかく甘い歌声で、あわい夢が破れた感覚で歌詞を読んでも悲しみが伝わってきませんでした。しかし、映画の中でアン・ハサウェイが歌う「夢やぶれて」は底辺まで落ちた女が怒りや悲しみ不条理さなど心の底から湧きあがる思いを託す泥臭い歌で、始めは同じ歌だとは思えませんでした。ミュージカルの真骨頂を見れました。
歌も映像も迫力があり、テンポも良く、とても上質な映画でした。