虹色空間から~

日々の生活で興味あることを綴ります

「ラファエロ」展

開催場所:東京・上野公園内、国立西洋美術館
鑑賞日:2013年5月22日
 
ラファエロ・サンツィオ(1483~1520)
イタリア中部の町ウルビーノで生まれる。宮廷画家であった父らに絵を学んだ後、レオナルド・ダ・ヴィンチミケランジェロらの表現を吸収し腕を磨く。卓越した才能、美しい容姿、社交的な性格がバチカン教皇や貴族らに絶大な人気を博すが、37歳の若さで没した。代表作は「大公の聖母」。
 
感想:
美術館へ足を運んだのは本当に久しぶりでした。有名な展覧会は人が多く、想像しただけで避けたい気持ちが沸きあがり、足を向けることができませんでした。今回は知り合いのつきそいというかたちで訪れました。
展覧会は会期がのこり少ないということと、テレビで紹介されたということで、多くの人が訪れていました。会場で最初に目にするのは数点の小さな絵。そこに人垣が5重~8重ほどでき、頭で絵が埋もれた状態でした。そこで、少し気持ちが萎えましたが、遠巻きにしながら絵を眺めていると、しだいに絵の世界に引き込まれました。本物の絵がもつ人を引きつけるオーラなるものを感じました。
今回の展覧会はラファエロだけでなく、関連のある画家も混ざって展示されていたのですが、これがラファエロの特徴をつかむのにとても良かったです。私が感じたラファエロの特徴は一言で表現すると「カタイ」です。モデルを冷静に見て、常に距離を置いた冷めた視点で絵を描いているように感じました。絵を見て和むよりなぜこのような絵を描いたのか分析したい気持ちにさせられました。
「大公の聖母」はやはりインパクトがありました。黒の背景から浮かび上がる聖母子。静寂が包み込みました。聖母は穏やかでやさしく少し微笑みを浮かべているような表情で、見ていると気持ちが落ち着き、神聖な気持ちとなりました。近くでじっくりと見つめると、背景の黒にも陰影があり、服にもとても繊細な色使いがされていて、いつまでも新しい発見をうみ、見ていてあきませんでした。素敵な絵でした。
つきあいとして出かけた展覧会でしたが、とても良い時間を過ごす事ができました。