虹色空間から~

日々の生活で興味あることを綴ります

タイピスト!

監督:レジス・ロワンサル
出演:ロマン・デュリス/デボラ・フランソワ/ペレニス・ペジョ/ミュウ=ミュウ
製作国:フランス
製作年:2012年
 
物語:
1950年代のフランス。女性たちの憧れの職業は秘書だった。都会暮らしに憧れて、田舎から出てきたローズ(デボラ・フランソワ)は、保険会社経営のルイ(ロマン・デュリス)の秘書に応募し採用されるが、ドジで不器用なローズは一週間でクビを宣告される。しかし、ローズにタイプの早打ちの才能があることを見抜いたルイはタイピスト大会に出場することを条件に、雇用することを提案する。しぶしぶ条件をのんだローズは、その日から、ルイの厳しい特訓をうけることになる。
 
感想:
明るく、楽しい気分になりました。タイピスト大会というまるでスポーツのような女の激しい戦いと不器用な恋愛模様をアップテンポに時にはムードたっぷりに、バランス良く描いたシンデレラストーリー。今では使われなくなったタイプライターの心地よいリズム音が映画を盛り上げ、夢物語へいざなってくれます。
時代は1950年代。第二次世界大戦終結してまもないこの時代、重い戦争体験を引きずりつつ新たな生活を過ごしていることをルイの恋愛に対して臆病であるエピソードを通して描きつつ、一方タイピスト大会で優勝し一躍ヒロインとなるローズは平和となった世の中で新しいパワーがあふれ戦争の傷を覆い隠してしまうほどの華やかな時代が到来していることをつげているかのようです。この二つの要素が絶妙に織り交ぜられ、単に明るく楽しいだけではない、深みがあり、力強い物語になっています。
ちょっとクヨクヨしている時に見たい映画だなぁと思いました。