虹色空間から~

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映画『帰って来たヒトラー』

監督:デビッド・ベンド
出演:オリバー・マスッチ/ファビアン・ブッシュ/クリストフ・マリア・ヘルプスト/カーチャ・リーマン
製作国:ドイツ
製作年:2015年

【物語】
1945年からタイムスリップしてヒトラー(オリバー・マスッチ)が現代によみがえった。服装も顔もヒトラーにそっくりの男と思い違いされてテレビに出演し、戸惑いながらも、カメラの前で堂々と過激な演説を繰り出し、視聴者はその演説に度肝を抜かれる。かつてのヒトラーを模した完成度の高い芸として人々に認知された男は、モノマネ芸人として人気を博していく。

【感想】
現代によみがえったヒトラーは戸惑いつつも、まず情報を収集することから始めます。そて状況を把握し見極めて、テレビが自分の名を売るには一番と悟ります。そして、どんどんとテレビに出演していきます。どんなに笑われても、それを余裕で受け流します。人気を得るには笑いをとることも大事と知り抜いているのでしょう。
そして、右派の政党や過激派などに次々と会い、自分の味方になり得るかを見極めていきます。これも、表面的にはヒトラー芸人がヒトラーぶって意見を聞きまわっているというふうに周囲を欺ています。人の心をあやつるのがうまいです。
ヒトラーがどのようにドイツ国民の心をつかみ独裁者の地位を得たのか、それを現在に置き換えて再現しているのだと思いますが、民主主義のもろさや人間のおろかさが感じられてとても怖さがありました。民主主義は独裁政党や独裁者を産み得るのだということを心にとめて、選挙にのぞんでいかなとダメだなぁと感じました。