監督:濱口竜介
製作国:日本
製作年:2021年
物語:
舞台俳優で演出家の家福悠介(西島秀俊)は、脚本家の妻・音(霧島れいか)をくも膜下出血で突然に失った。2年後、喪失感を抱えながら生きていた彼は、演劇祭で演出を担当することになった。愛車のサーブで広島へ向かう。そこで寡黙な専属ドライバーの渡利みさき(三浦透子)に愛車を託し、演出に取り組むことで、過去と向き合っていく。
感想:
様々な賞を受賞した注目作品のため、公開から半年以上たっても上映中で、ようやく観る事ができました。心理的な内面を淡々と描いていきながらも、村上春樹の原作もあってか、言葉がとても豊富でした。内面を描く映画はセリフも少なく表情や風景そして音楽で表現しがちなので特殊だなぁと思いました。多くのシーンでポイントになりそうな言葉が出てきてきて、その豊富さにオッオッオッ!と驚きました。その分、音楽で盛り上げることはほとんどありませんでした。しかしそれが逆に、最初から最後までピーンと薄い糸が張ったような緊張感が感じられ、今までに観たことのない映画だなと思いました。