虹色空間から~

日々の生活で興味あることを綴ります

ジャンゴ 繋がれざる者

製作国:アメリ
製作年:2012年
 
物語:
奴隷制度をめぐる対立が色濃くなる1859年アメリカ南部。歯科医だったドイツ人のキング・シュルツ(クリストフ・ヴァルツ)は指名手配犯を射殺し賞金を稼ぐ仕事に転職し、指名手配犯を探すため、黒人奴隷のジャンゴ(ジェイミー・フォックス)を奴隷から解放し協力を仰ぐ。ジャンゴはキングとともに南部の指名手配犯を捕まえながら鍛錬を積み、奴隷市場で生き別れとなった妻のブルームヒルダ(ケリー・ワシントン)を探すことにした。そのブルームヒルダは、カルヴィン・キャンディ(レオナルド・ディカプリオ)が営むキャンディランドという農園にいた。カルヴィンは奴隷を鍛えあげ、奴隷同士を闘わせては楽しんでいる。ジャンゴは妻を救うため、カルヴィンに近づく。
 
感想:
これぞR15+指定の映画。と思いました。残虐な殺人シーンのオンパレード。出だしから銃で頭が吹っ飛ぶシーンが出てきて、映画を見る覚悟のようなものができました。しかし、黒人奴隷たちがどちらかが死ぬまで戦わせられるシーンなど、思わず目を背けたくなるシーンも数多くありました。このように残虐なシーンが多い映画はあまり見ないのですが、それを最後まで飽きさせずに魅せきってしまうタランティーノ監督の手腕に脱帽でした。
随所にユーモアがあふれ、引き裂かれ離れ離れの夫婦の恋の行方と救出劇というラブスーリーの王道をいく展開、それが飽きることなく映画に引き込んでいきます。さらに描き出される黒人奴隷の人ではなく物として扱われる悲惨な状況。黒人は所有証明書を所有者に握られ日常的に売買がされていたり、黒人を犬に食いつかせ殺す様子を楽しそうに笑っていたり、過去にあった現実だと思うとゾッとしました。しかし、こんな過去があれば差別意識がなかなか根絶できないアメリカの現状がよく分かりました。また、西部劇だからとて、日常的に銃を持ち、すぐにぶっ放すという社会が過去にはあたりまえで、それが現在まで通じていて、銃の規制が進まないこともよく分かりました。思った以上にいろいろ考えさせられた映画でした。