虹色空間から~

日々の生活で興味あることを綴ります

宮部みゆき著「ぼんくらシリーズ」

本の情報
 
「ぼんくら 上下」
収録作品:殺し屋/博打うち/通い番頭/ひさぐ女/拝む男/長い影/幽霊
出版社:講談社講談社文庫
初版発行:2004年4月15日
内容:鉄瓶長屋からひとりずつ人が消えていく。店子を襲った殺し屋、差配人の出奔、謎の新興宗教騒ぎ。江戸下町の長屋で連続する事件の裏の陰謀に、怠け者で面倒くさがりの同心・井筒平四郎と甥で超美形で頭脳明晰の少年・弓之助が挑む。
 
「日暮らし 上中下」
収録作品:おまんま/ 嫌いの虫/子盗り鬼/なけなし三昧/日暮らし
出版社:講談社講談社文庫
初版発行:2008年11月14日
内容:鉄瓶長屋で差配人をしていた佐吉の実の母親・葵が殺された。佐吉が子供の頃に出奔した葵が殺された現場にいたのがなんと佐吉であった。すぐさま佐吉がお縄に。同心・平四郎は弓之助や政五郎と共に真相を突き止めるため動き出す。
 
「おまえさん 上下」
収録作品:おまえさん/残り柿/転び神/磯の鮑/犬おどし
出版社:講談社講談社文庫
初版発行:2011年9月22日
内容:痒み止め薬「王疹膏」を売り出し中の瓶屋の主人、新兵衛が斬り殺された。その斬り口は、少し前にあがった身元不明の亡骸と同じだった。同心・井筒平四郎は、将来を期待される同心・間島信之輔(残念ながら醜男)と調べに乗り出す。
 
感想:
まず、それぞれ一冊がとても分厚いので、読むのにためらいました。しかし、いざ、ページをめくり読み始めると途中で手をとめることもできないほど、物語に引き込まれます。
全くつながりがないように思われたエピソードか謎が謎を呼びながら、徐々に1つにまとまり、全体像が浮かび上がってくきて、次へ次へと読みたくなる宮部みゆきならではストーリー展開です。
いわゆる、“ぼんくら同心”の平四郎とその甥で養子候補の弓之助を取り巻く周囲の人々のエピソードを面白、おかしく、時々ミステリアスに描かれ、とても楽しい気分で読むことのできる作品です。平四郎のものぐさからくる人間味あふれる心の内なるつぶやきが私のお気に入り。その他の登場人物も魅力あふれ、物語の中で躍動します。続編が心待ちとなるシリーズです。