虹色空間から~

日々の生活で興味あることを綴ります

映画「ウルフ・オブ・ウォールストリート」

製作年:2013年
製作国:アメリ
 
物語:
学歴や人脈もないまま、22歳でウォール街投資銀行で働きだしたジョーダン・ベルフォート(レオナルド・ディカプリオ)。資格を取り株屋として働こうとした初日がブラックマンデーと重なり、あえなく失業となった。何とか見つけた就職先は安い株を扱う投資センターだった。しかし、手数料が販売額の50%と知り、巧みな話術で人々の心を瞬く間につかみ、業績を上げ、猛烈なスピードで成り上がっていく。そして26歳で証券会社を設立し、約49億円もの年収を得るまでになった。富と名声を一気に手に入れ、ウォール街のウルフという異名で呼ばれ、浪費の限りを尽くして世間の話題を集めていく。
 
感想:
ウォールストリートには我々庶民の考えや感覚とは違う人々がいるとは思っていましたが、想像すらできない別世界があってとても怖いと思いました。浪費の限りを尽くすと言っても、常識外れすぎて、ついていけません。
株の世界は一瞬で、それもコンピューター上で大金が動く世界。株屋は常に興奮状態で、興奮状態でないと仕事ができないのかもしれません。浮世を生きているようなものですから。ジョーダンも刺激を求めて、ドラックをしたりや会社で淫行パーティーを開催したり、それを変だと思わない社員も変です。さらに株を売るために社員を鼓舞する巧みなスピーチ。まるで社員はマインドコントロールされたかのよう。ヒトラーに熱狂した人々や新興宗教にのめりこんでしまう人々の心理状態はこんな感じ?と思うと寒気がするほどの怖さでした。
ストーリー全体はコミカルな描き方で、笑いを誘われるシーンも数多くあって、間違えはバカな成り上がり男のバカバカしいチンプな映画になってしまいそうですが、スピード感があり、シリアスな部分を笑いに変えて身近に感じられるようにしたり、見ごたえのある映画に仕上げているのはマーティン・スコセッシ監督の手腕だと思います。作りが悪かったら、とても見続けることができないような内容だったなと感じます。
レオナルド・ディカプリオも久々に画面に溶け込むかのような演技をしていました。複雑な心を持つ人物を様々な表情で演じるのは十八番だとは思っていますが、演技の熱さが表面に出ていて画面から一人浮き上がっているように感じることが多いくあります。それが、サラリと爽やかに、自然に画面に引き寄せられるような感覚で見れました。バカな成り上がり男を魅力ある男として感じることができたのは、素晴らしい演技の賜物だと感じました。