虹色空間から~

日々の生活で興味あることを綴ります

真田紀行記(松代・上田)

2016年の大河ドラマが『真田丸』に決定して、真田家への注目度が今後ますます高まると思われる中、以前から行ってみたいと思っていた長野県松代へ、観光客が増える前にと出かけてきました。池波正太郎原作のドラマ「真田太平記」に惹かれ、その後に小説を読み、真田信之が好きになりました。小説の最後に信之が国替えを命じられて上田を去り松代に向かうシーンが心に残り、機会があれば…と考えていました。
また、上田は何度か行きましたが真田の里には行ったことがなく、今回は真田にどっぷりと浸るたびと思い行ってきました。
 
【旅行日程】
2014年10月2日(水)~23日(木)
 
1日目(松代)
松代城(海津城)跡⇒➁文武学校⇒➂旧白井家表門⇒④旧樋口家住宅⇒➄真田邸⇒➅日暮し庵(昼食)⇒➆松代藩鐘楼⇒➇矢沢家表門⇒➈真田宝物館⇒➉象山神社⇒⑪山寺常山邸⇒⑫象山地下壕⇒⑬旧横田家住宅⇒⑭大英寺⇒⑮旧前島家住宅⇒⑯長国寺
 
長野駅からバスで約30分。小雨の降る松代に到着しました。晴れていればレンタサイクルを借りて回ろうと思っていましたが、頑張って徒歩で散策することにしました。あらかじめ、順路を決めて、できるだけ多くの場所をまわろうとはりきりました。
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最初に雨で足元の悪くならないうちにと、松代城跡に行きました。門などが復元されるなど綺麗に整備され、こじんまりした良い城跡でした。展望台にあがると、三方を山に囲まれた小さな城下町の雰囲気を感じることができました。城跡からは歴史的道すじを通って、文武学校や真田邸へ。長く続く塀が続く道筋は江戸時代いを思わせ、城下町を歩いている!とワクワクしました。真田邸の庭園では紅葉が始まっていて、誰もいない縁側に座り庭を眺めると心が落ち着きました。
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真田邸の庭園
 
昼食はこの地域の名産である長芋を使った麦とろろごはんと新蕎麦をいただきました。とろろはとてもやさしく甘い味わいでとてもおいしかったです。
お腹いっぱいとなったところで、早速行動を開始。真田家宝物殿でたっぷりと真田家を満喫し、歴史的道すじを歩き、より一層昔の真田藩を思い巡らせました。
そして、突如、全く雰囲気を異にする太平洋戦争の遺物である象山地下壕へ立ち寄りました。太平洋戦争末期に天皇大本営を松代に移転させ、戦争を続けようとした、負の遺産がこの静かな城下町松代にあります。それも、町の片隅にあります。最初に知った時はびっくりでした。地下壕は主に三か所に造られ、象山地下壕は町の中心部に一番近く、一部を無料公開されています。地下壕が網の目のように掘られていて、暗い中を歩くと不気味で、少し戦争を身近に感じます。
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象山地下壕の中
 
再び真田家に浸る散策を開始。少しさびれた感じのする大英寺は信之が正妻の小松姫の菩提を弔うために開いた寺です。そして、信之の霊廟もある藩主菩提寺長国寺へ。屋根に六文銭があり、威厳のある佇まいです。霊廟のあるところは立ち入りが制限されているので、遠くから眺めました。
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真田信之の霊廟
 
ここで、何とか松代散策の目的を達成。歩いて回ることで、街並みや小さな路地の雰囲気を充分に味わうことができました。
 
 2日目(上田)
上田城跡⇒➁上田城櫓門(南櫓)⇒➂上田市立博物館⇒④池波正太郎真田太平記館⇒➄北国街道柳町⇒➅真田氏歴史館⇒➆真田氏館跡⇒➇真田氏本城跡⇒➈長谷寺
 
上田では車で移動したので、上田市内と真田市内を訪れました。上田城跡では初めて櫓門に上がりました。南櫓から見る尼ヶ淵の崖は切り立ちが際立ち、大軍で押し寄せてきても中々攻め入ることのできない絶妙な場所に城を築いたのだなと感慨にふけりました。今回は久しぶりに池波正太郎真田太平記館へ足を運びました。こじんまりしていてちょっと立ち寄るにはよいところです。真田太平記についての映像が鑑賞できたりするのですが、今回は時間がないため素通りしました。その代りギャラリーで小説真田太平記の挿絵画を鑑賞し、しばし小説の各場面に浸りました。
真田市の真田の里は上田市内からは車で10分ぐらいなのですが、山間ののどかな感じのところでした。紅葉も随分とすすみ、素敵な風景も楽しめました。真田氏歴史館では真田太平記で使用された兜の展示があり、眺めているとジーンとくるものがありました。
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真田氏本城跡から見える風景
 
真田氏本城跡は山城で、見晴らしの良い場所です。勢力の少ない者たちの城としては守りやすく攻めやすい、良い場所だなと思いました。上田城跡と真田氏本城跡を見て、地形を利用して戦うすべを熟知している一族だったのだなと改めて感じました。最後に訪れたのは長谷寺です。真田氏の菩提寺で、隆幸と昌幸の墓があります。とても雰囲気をもったお寺でした。
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隆幸と昌幸の墓前の灯篭には六枚の硬貨が並べられている
 
どの場所を巡っても真田の里と呼ばれるのに相応しい歴史のエッセンスが転がっていると思える素敵な場所ばかりでした。真田氏への思いをより強くした旅になりました。