虹色空間から~

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池波正太郎著『真田太平記』

【本の紹介】
収録作品:真田太平記(全12冊)
出版社:新潮社/新潮社文庫
初版発行:1987年9月25日~
物語:甲州・信州を拠点に戦国随一の強さを誇っていた武田軍団が滅び、天下統一目前と思われた織田信長が死に、真田昌幸率いる真田家は試練の時を迎える。昌幸の長男・源三郎信幸、次男・源二郎信繁とともに真田忍を駆使て情報収集を行い謀略によって徳川・上杉・豊臣と臣従する主を変え、戦国乱世を生き抜いていく。しかし、天下統一を成し遂げた豊臣秀吉の死後、親子兄弟が敵味方となる事態が待ち受けていた。

【感想】
現在放映中の大河ドラマ真田丸」の真田家が描かれた大作小説です。以前、NHKでドラマ化され、子供ながらとても面白く思い、楽しみに観ていました。そして、原作があることを知り夢中になって読みました。その小説を大河ドラマの放映をきっかけに再読しました。おおまかなあらすじしか記憶になく、とても新鮮な気分でした。また、私自身も多くの時代小説を読み、知識が増えたので、当時は分からなかった歴史的背景なども加味して読めたので、より理解が深まって良かったです。
源二郎が実は妾の子だったり、真田忍が真田家の人たちより多く登場したり、池波正太郎の作り出した世界もたくさん盛り込まれてますが、戦国時代から江戸幕府が開られるまでの流れや主要な人物についても詳しくされも個性豊かに描かれていて、この時代を知ることもできます。全12冊があっと言う間です。この時代を知るきっかけとしてはとても良い小説だと思います。大河ドラマと比較して違いを楽しむのも良いかもしれません。
この小説を読み、私が好きな戦国武将の一番は真田信幸となりました。派手さはなく、謙虚で、愚直だけど、決める時は決めるみたいなところが大好きです。父と弟が亡き後、真田家を背負いさぞ苦労しただろうことを思うとせつなさでいっぱいです。そんな苦労がさりげなく描かれているのもこの小説の特徴です。
長編なので大変ですが、いつかまた、ぜひ再読したいと思っています。