虹色空間から~

日々の生活で興味あることを綴ります

映画『関ヶ原』

監督:原田眞人
製作国:日本
製作年:2017年

物語:
幼くして豊臣秀吉に才能を認められ、取りたてられた石田三成(岡田准一)は、秀吉に忠誠を誓いながらも、正義ではなく利害で天下を治める秀吉の姿勢に疑問も抱いていた。そんな中、甥である関白秀次が謀反の罪で切腹し、妻や側室・侍女たちが三条河原で斬首されることになった。立ち会った三成は、猛将として名高い島左近(平岳大)や伊賀の忍びの初芽(有村架純)と運命的な出会いをする。2人は三成に仕えるようになるが、秀吉の体調が思わしくないなか、天下取りの野望を抱く徳川家康(役所広司)との対立が深まり、1600年9月15日、三成の西軍と、家康率いる東軍が関ヶ原で天下分け目の決戦に挑むこととなる。

感想:
天下を二分した決戦がわずか6時間で決着をえた「関ヶ原の戦い」。しかし、そこに至るまで数多くのドラマがあり、それを抜きにして「関ヶ原の戦い」は語ることができません。関係する人物もとても多いです。映画「関ヶ原」がどのように描くのか、とても楽しみにしていました。
実際に鑑賞してみると、約2時間半の中に押し込めるのにはドラマが壮大でありすぎて、物足りなさを感じました。映画では石田三成を主人公に据えて、正義を前面に家康と対峙する姿を追いました。しかし、三成の魅力が伝わってこなかったです。三成は豊臣秀吉に取り立てられ、恩義を感じて、秀吉がおかしいと思っていても、最後まで忠誠を誓う、義理堅く、生真面目の男として描かれます。昨年の大河ドラマで登場した三成は時間をかけて不器用さが表現され、三成の思う正義がストンと心の中に入ってきました。しかし、映画では時間が足りなくて、三成の魅力が描ききれておらず、三成の気持ちで「関ヶ原」を戦うという視点で鑑賞することができませんでした。
反対に家康は策をめぐらせる腹黒狸おやじとして、しっかりと描かれていて、天下を目指す悪役として、存在感を発揮していました。歴史を知っているだけに、魅力を感じない三成の指揮する「関ヶ原」は戦いの場面になると色あせてしまいました。「関ヶ原の戦い」の描き方の難しさを改めて感じた映画でした。
あと、ロケーションにはこだわりがあって、姫路城を代表に国宝や重要文化財での撮影も多くされ、風景を見るだけでも見ごたえがありました。