虹色空間から~

日々の生活で興味あることを綴ります

姫路城と書写山圓教寺の旅

2016年3月23日~24日、白い姫路城を見るため、姫路を訪れました。姫路で一泊したので、翌日は姫路駅からバスで30分ほどの郊外にある書写山圓教寺にも足を延ばしました。

まず訪れた姫路城は2度目となります。前回は高校の修学旅行の自由時間に駆け足で回った記憶があるのみで、何となく駅を降りたら城が見えた、長い廊下を歩いた、ということを覚えています。今一度、じっくりと見ようと、事前にガイド本も読み姫路駅に降り立ちました。北口を出ると広い大手前通りの先に記憶通り白く輝く天守が目に飛び込んできて、姫路城を見に来た!とのワクワク感がいっきに盛り上がりました。内堀と大手門が姿をあらわすと、一気に気持ちが高まりました。三の丸に入り、天守がグッと近づきます。少しずつ全貌が明らかになっていく感じが、とっていもいい演出です。入場口でボランティアガイドをお願いしようと思っていら、出払っていてダメということだったので、ガイド本を見ながら自分たちで回りました。
最初に長い櫓で周囲を囲われている西の丸へ行きました。櫓の中に入るとひんやりとした風が吹き抜けていきます。狭間(外の様子をうかがったり、矢や弾丸を発射する小窓)や石落としの仕掛けがところどころにあり、戦闘のために作られた建物ということが伝わってきました。長い櫓の中を歩いて天守近くの化粧櫓(徳川家康の孫の千姫が過ごしたと言われる櫓)まで向かうと、少しずつ天守が近づいていく感じが何とも言えずワクワクしました。化粧櫓は畳がひいてあり、板の間からあがると暖かみがあり、ほっとする空間でした。化粧櫓から出ると早咲きの桜があり、天守を彩っていました。
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天守へは「い」から始まる門をくぐり、右に左にと複雑にそれでいてきれいな線を描くように続く道を歩み、天守に到達します。これは、敵をたやすく近づけない仕組みとのこと。天守を目指す自分もいつ到達するんだろうというドキドキ感にあふれました。
天守の中は暗くだだっ広い空間で、特に大天守(姫路城は大天守と三つの小天守からなる連立式天守)は展示物もなくガランとしていて、より広さが目立ちました。
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戦いの時にこの場所に大勢で立てこもって戦う姿が姿がイメージされ、白く美しい外見とは異なった、戦う城であることを印象付けてくれました。階段も手すりをつかまらないと昇り降りするのが大変なほど急で、敵がすぐに昇ってこれない仕組みになっているのだなぁと感じました。
天守の中から出て改めて外観を眺めると真っ白に見える位置と屋根が黒っぽく見える位置とがあり、見る角度によって変化するのがまた面白かったです。


書写山圓教寺は標高371mもある山の寺です。バスを降りると山のふもとで、そこからロープウェイに乗り換えて、山の上へあがります。そこから山道の参道を20分ほど歩いて仁王門をくぐり摩尼殿や本堂のある場所へ向かいます。木々に囲まれ、ガタガタした細い山道を歩くと昔の人はよくこのような場所に寺を作ったと感心しました。
舞台造りで雄大な雰囲気を持つ摩尼殿は岩山の中腹に建てられたので、このような造りになったそうです。減殺の建物の大正10年の火災で全焼したため、昭和8年に再建されたとのことです。しかし、燃えたのは建物だけで周囲の古木は焼けずに残り、そんな木々に囲まれて、重厚な雰囲気を醸し出していました。
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なぜ、この場所に摩尼殿が建てられたのかと言うと、ちょうどJR西日本の「ちょこっと関西 歴史たび」の特別企画であった僧侶の方の説明からわかりました。ちなみに、この特別企画で普段は非公開の本尊や絵巻物も見学でき、とてもタイミングの良い訪問となりました。書写山圓教寺性空上人がこの山を登り、現在の本尊があるあたりにあった桜の木に天女がやどるのを見て、その桜の木に観音像を刻み、秘仏としてお堂を建てたのが始まりだそうです。鎌倉時代にも火災があり、初代が焼け、二代目も大正に焼け、現在は三代目とのことです。本尊・六臂如意輪観世音菩薩とは、六臂…手が6本あり、如意…右手に持つ玉で如意宝珠と言い意のままに操れる玉でなんでも願いをかなえてくれる、輪…左手にある輪で本来は回り続けていて魔を弾き飛ばす、等の意味を持つ観音様だそうです。とても柔らかい微笑みを浮かべて、見ていて心が穏やかになりました。その隣の四天王は古めかしく色あせていますが、平安中期の作とのことで、年月を感じさせるたたずまいでした。
摩尼殿を後にして、大講堂・食堂・常行堂と3つの堂がコの字型に並ぶ神秘的な空間でした。ここは映画やドラマの撮影に何度か使われていたそうです。
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食堂の中は宝物館になっていて、「播州書寫山縁起絵巻」が公開されていました。性空上人の誕生から入寂までの物語が描かれた25mにもなる長い絵巻です。発色がとてもきれいで素敵な絵巻でした。
最後に奥の院・開山堂へ向かいました。ここでも本尊・性空上人像が公開されていました。入口から覗く感じでしたが、少しうつむき加減で瞑想している雰囲気で、黒光りがして、怖いような威厳のあるような姿でした。この像は近年X線をとり、頭部に丸いガラス玉のようなものがあって、その中に性空上人の遺骨が納められていることが判明したそうです。開山堂の軒の角には左甚五郎の作とされる力士像が残されていて、参拝者を見つめていました。
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山の上の静かな寺は別世界に来たような感覚で、神秘的な空気感があり、とても良かったです。
ゆっりと見てまわるのに2時間ほどかかりますが、ぜひ時間的に余裕がある方は訪れてみてはいかがでしょうか?