虹色空間から~

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映画『杉原千畝 スギハラチウネ』

監督:チェリン・ブラック
製作国:日本
製作年:2015年

物語:
堪能な語学と豊富な知識を駆使し、インテリジェンス・オフィサー(諜報外交官)として諜報活動に携わった杉原千畝(唐沢寿明)は、1939年、リトアニアの日本領事館に赴任。自ら構築した一大諜報網をもって混乱する世界情勢を分析し、日本に情報を送り続けていた。その頃、ドイツはポーランドに侵攻、リトアニアにもナチスの迫害を逃れてユダヤ難民が流入していた。杉原は日本政府の命令に背いてユダヤ難民に日本通過のビザを発給することを決意する。

感想:
杉原千畝の名前はリトアニアユダヤ人にビザを発給したことはテレビで何度も伝え聞いていて知っていましたが、この映画を通してどのような生き方をしてきた人なのか色々な面で知ることができてとても興味深かかったです。
外交官は赴任先の情報を入手することも大事な役目のひとつという知識はありましが、戦時中はいわゆるスパイ行為を行って機密事項を自国へ伝えたり、有利になるように画策したり、華やかに見える外交の裏側を覗いた気がしました。
映画で描かれる杉原は世界情勢を的確に把握し先行きを推測できる人物で、リトアニアに逃れてきたユダヤ難民の今後の成り行きについて、戦後の世界に衝撃を与えるほどの大虐殺をドイツが推し進めるであろうことまで見通していたのでは?だからこそビザの発給を決断したのでは?と感じました。
外交官が危険を冒してまで集めた情報を全く無視して、日本国内だけで世界を見て、井の中の蛙たちが下した判断が日本をどんどんと泥沼の戦争へと引きずっていたことも描かれ、各国にいた外交官のむなしさを感じさせられました。
戦後70年を締めくくるのにふさわしい作品を鑑賞でき良かったです。