虹色空間から~

日々の生活で興味あることを綴ります

映画『スポットライト 世紀のスクープ』

監督:トム・マッカーシー
製作国:アメリ
製作年:2015年

【物語】
2002年ボストン、新聞社グローブで“スポットライ”という人気連載コーナーを担当するウォルター(マイケル・キートン)やマイク(マーク・ラファロ)たちのチームは、彼らはこれまでうやむやにされてきた、神父による児童への性的虐待の真相について調査を開始する。カトリック教徒が多いボストンでは彼らの行為はタブーだったが……。

【感想】
展開がスピーディーで、町で信仰を集める教会の秘密を何とか暴いていくという込み入ったストーリーのため、流れについていくだけで精一杯でした。人物の把握も大変で、ジョンって?ポールって?誰だったかを思い出しているうちに場面が変わることもしばしばありました。しかし、アカデミー賞作品賞を受賞しただけあって、全体がうまくまとめられているので、多少人物の把握が不十分でも大丈夫でした。
カトリック教会が町に及ぼす影響力の強さは日本に暮らす私には実感がわきませんでした。新聞社の編集局長がワザワザ枢機卿のところに挨拶に出向く、学校にも神父が赴任している、いろいろなところに教会の影響力が及んでいることに驚きます。そして、子供のころから教会とともに歩み、少々の問題が持ち上がっても、大事とは思わずに疑惑の目を向けない習慣ができてしまい、長い期間神父による児童虐待が発覚しなったのだと感じました。何か変だ、おかしい、と感じたのはボストン生まれではなく、よそから移って来た人たちです。しかし、ボストンに住む人たちにとっては彼らこそ変だになるのです。いかに冷静に物事をとらえる事が大切か、そして難しいかを映画は語っていたなと思いました。