虹色空間から~

日々の生活で興味あることを綴ります

映画『海は燃えている ~イタリア最南端の小さな島~』

監督:ジャンフランコ・ロージ
出演:サムエレ・プチッロ/ジュゼッペ・フラガパーネ/ピエトロ・バルトロ
製作国:イタリア=フランス
製作年:2016

物語:
イタリア最南端、北アフリカにもっとも近いヨーロッパ領の小さな島、ランペドゥーサ島。ここで暮らす12歳の少年は友だちと手作りのパチンコで遊び、男は漁師として海に出ていき、老女は刺繍に励み、ラジオからはリクエストに答えるDJが流す音楽が聞こえてくる…島の人々はまたどこにでもある日々を生きている。だがこの島にはもうひとつの顔がある。この数十年間、アフリカや中東から船でやってくる移民や難民にとって、ランペドゥーサ島はヨーロッパの玄関口であった。平和と自由で幸せな暮らしを求め、命がけで海を渡る人々。しかしその過程で多くの人が命を落とす。日々この人道危機を目の当たりにしてきた島の日常にカメラは静かに寄り添う……。

感想:
ランペドゥーサ島は面積が20.2K㎡、人口約5500人の島。そこに年間5万人も超える難民・移民がやってくるのに驚きです。しかし、難民・移民は島へやってきた場合、直接上陸はせず、海上で保護されそのままセンターへと連れていかれます。なので、島の人々は難民・移民の存在は遠い世界の話で静かな生活を過ごしています。まるで遠く離れた日本に住む私たちと同じようです。
しかし、島には日々死と隣り合わせの船出をして辿り着いた難民・移民が押し寄せます。映画が進むにつれこのコントラストがなんともせつないです。けして大きくない船にぎっしりと人が乗り込み、脱水や圧迫死、船の転覆など死を覚悟しての船旅。それよりももっと過酷で困難なことがあったのだろうと思うと、想像をはるかに超える辛さがあります。見ているだけで徐々に息苦しさを感じ気分が悪くなりました。この気分が悪くなる出来事が現実の世界で起こっていることであり、私たちも知らなければならないことです。様々な問題が難民・移民にはありますが、故郷を離れるという選択は重い決断です。そんな決断をしなしても良いよう故郷にとどまれる支援と難民・移民になってしまった人への支援を少しでもしていきたいなと思いました。