虹色空間から~

日々の生活で興味あることを綴ります

映画『日日是好日』

監督:大森立嗣
製作国:日本
製作年:2018年

物語:
真面目で理屈っぽくて、おっちょこちょい。そんな典子(黒木華)はいとこの美智子(多部未華子)とともに、武田先生(樹木希林)のもとで“お茶”を習うことになる。意味も理由もわからない所作にただ戸惑っていたが、毎週“お茶”に通い続けることで、茶室に掲げられた「日日是好日(にちにちこれこうじつ)」を実感していく。

感想:
茶道を習うというシーンを中心に据えて、人生のありようを茶道に重ね合わせて表現された映画でした。静かで簡素な茶室に響く音で、茶わんや茶菓子さらに掛け軸で、その季節やその心情に合ったものを感じ取り、自然と心が落ち着いてきます。決められた形があると覚えてしまえば自動で行えますが、だからこそ、より心を形に乗せて表現しやすくなり、自分の心を見つめることにつながります。茶道は心を豊かにするのだなぁと感じ入りました。映画の中では茶道の基本所作から見せてくれて、本当に形の積み重ねで成り立っているということが良くわかりました。心を豊かにしたいからと言って実際に身に着けるのは大変そうです。
先日亡くなった樹木希林さんが茶道の先生役で出演していることでも話題になっていましたが、温かくもあり、厳しくもあり、少し毒をもっているような言い回しあり、何とも言えない雰囲気を存在感いっぱいに演じていました。まだまだ、この人の演技を見たかったなぁと改めて思いました。ご冥福をお祈りします。