虹色空間から~

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宇江佐真理著 文庫版『髪結い伊三次捕物余話』シリーズ

【作品紹介】
収録作品:髪結い伊三次捕物余話(全15巻)
出版社:文藝春秋
初版発行:第一巻『幻の声』が2000年4月7日に発行
物語:髪結い床(店舗)を持たない廻り髪結いである伊三次は北町奉行所同心の不破友之進の小物としての顔を持ち、事件の解決に奔走する姿や芸者の恋人お文や不破家など伊三次のまわりで起こる日常の様子が描かれる。



【感想】
宇江佐真理が癌であることが公表され、最後はどのようにして迎えるのか?という思いがありましたが、最終巻である「竃河岸」を読み終えて、この後も今までのような日常が続いていくんだろうなという、安心感のような思い

が沸き上がりました。きっと宇江佐真理がいつ最終話になっても良いようにとの思いで書き続けていたからではないかと思います。

この物語は登場人物たちが年を重ねていき、人の成長が身近に感じられるシリーズです。様々な事件だけでなく、成長を楽しむという、「寅さんシリーズ」のような雰囲気を持ち、様々に楽しめます。最後の方は伊三次のまわりの事ではなく不破家のまわりの事が多くなってしまったのが私としては寂しい気はしました。しかし、それはそれで引き込まれる話ばかりです。