虹色空間から~

日々の生活で興味あることを綴ります

安藤祐介著『本のエンドロール』

【作品紹介】
収録作品:本のエンドロール
出版社:講談社
初版発行:2018年3月7日
物語:印刷会社で営業を務める浦本は就職説明会で「印刷会社は…メーカーなんです」と発言し、同僚から批判を受けたりする。何とか見返して、斜陽になっている印刷会社を盛り立てようとするが、情熱だけが先行して空回りすることも多く、印刷工場にも迷惑をかけることもしばしば。しかし、その情熱が少しずつ周りに伝播していく。



【感想】
前回ご紹介した『彼方の友へ』は編集のお仕事でしたが、こちらは印刷や製本など本づくりの裏側の人たちの話。本に関係する内容だと、ついつい読みたくなってしまいます。本づくりの細かい工程が書かれていて、本を手に取った時の見方が変わりそうです。
私は電子書籍では読んだ気がしないので、紙の本を常に読んでいます。しかし、小説の単行本はかさばるので基本的には買わずに図書館で借ります。その中で気に入った本や作者に出会うと文庫を購入するタイプです。雑誌や文庫はたくさん購入しても単行本は1年に数冊です。そう考えると、ちょっと複雑な気持ちで本を読みました。
本の最後に印刷と製本に関わった人たちの名前が見開き1ページで書かれていて、一冊の本の完成までに多くの人の手が入っていることを改めて感じ、本が出版されるということは本当にすごいことなんだなぁと感心しました。中身を読むだけではなくて、作り手の思いも感じて、本を読んでいきたいなと思いました。