虹色空間から~

日々の生活で興味あることを綴ります

漫画『思い出のとき修理します』全6巻

【作品紹介】
作者:漫画・山口いづみ/原作・谷瑞恵
出版社:集英社・マーガレットコミックス
初版発行:第1巻発行2013年9月30日
物語:仕事にも恋にも疲れた元美容師の明里は、子供の頃に少しだけ過ごした商店街にあるヘアーサロンに引っ越すことに。 『おもいでの時 修理します』という奇妙なプレートを掲げた時計屋の青年・秀司、風変わりで少々毒舌な大学生・太一と親しくなった明里は、商店街で起こる不思議な事件に巻き込まれていくが…? 

【感想】
原作小説を前に読んでいて、結構好きな作品でした。なので、コミカライズされてイメージが損なうのが嫌だなぁと思って、しばらく手に取りませんでした。しかし、時間が経過し、読んだ時の記憶も薄れた頃に読んでみたところ、小説の世界がそのまま広がっているようで、とても引き込まれました。
主要な登場人物全員がどこか謎めいていて、物語もファンタジックな要素が織り込まれていて、不思議な雰囲気を持つ作品だなぁと思います。しかし、物語の中心は時計を通したそれぞれの過去のエピソード、人と人との絆が描かれ、ほんのりと気持ちが暖かくなる感じがします。
小説で読んでるだけではうまく組み立てられなかった商店街や神社の位置関係や時計屋さんの様子など、漫画になると絵として見ることで、小説の世界がより広がる気がします。また、物語の構成も小説をそのまま読んでいるかのような感じでした。漫画家はすごいなと改めて思いました。