虹色空間から~

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壽初無春大歌舞伎 夜の部

高麗屋三代襲名披露>
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日時:2018年1月24日 16:30開演
劇場:歌舞伎座
座席:1階二等席

演目とあらすじ:
角力場】
人気関取の濡髪長五郎(中村芝翫)と素人角力で名をあげた放駒長吉(片岡愛之助)の大一番は放駒が勝利するという番狂わせがおこる。しかし、これは濡髪が贔屓筋の若旦那の願いを叶えようとわざと負けた為だった。これに対して真剣勝負でなかったことを知った放駒は激怒。遺恨を残した二人は後日の勝負を約束して別れるのだった。
【口上】
裃姿の俳優が揃い舞台に並んでお祝いと、襲名披露の挨拶が述べられる。
勧進帳
兄頼朝との不和により都落ち行く源義経(市川染五郎)一行。義経は強力に、家臣らは山伏に姿を変えて奥州平泉を目指していた。一行は加賀国安宅の関で関守の富樫左衛門(中村吉右衛門)の詮議を受けることになった。武蔵坊弁慶(松本幸四郎)は東大寺建立のための勧進の山伏であることを名乗り、白紙の巻物を勧進帳と偽り見事に読み上げる。それでも、強力が義経ではないかと疑われると弁慶は義経を散々に打ち据えます。富樫は義経主従だと見破りながらも、弁慶の心に打たれ、関所の通行を許可するのだった。
【相生獅子】
手獅子を持った二人の姫(中村扇雀片岡孝太郎)が花や蝶に戯れる獅子の様子を踊る。
【三人形】
夜桜が行燈に映える吉原。今評判の傾城(中村雀右衛門)、通い詰める馴染みの若衆(中村鴈治郎)、その供の奴(中村又五郎)が踊りに興じ夜が更けていく。

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感想:
襲名披露公演は特別な感がして、人気も集中しそうで、今では観たことがありませんでたが、行ってみようかなと思った時に無事チケットがとれて観て来ました。歌舞伎を観るのは新歌舞伎座の杮落し以来で、建物の真新しさは随分と薄れていましたが、華やかな雰囲気が漂っていました。
いつもの舞台と違うのは口上があることですね。時間は約30分。最初は何故こんなに時間がかかるのか?と思っていたのですが、舞台にあがった俳優1人1人がお祝いの言葉を述べていくのです。歌舞伎界全体で盛り上げているといことが良く分かりました。それ以上に気にかかったのは、祝いの言葉を聞いている俳優たちは皆、微動だにせず頭を下げて聞いている姿です。素人など頭が上下しそうですが、いつ見ても皆が同じ姿勢で、そのすごさにびっくりでした。
今回のメインと言える「勧進帳」。学生の時の鑑賞会で爆睡した記憶しかありません。派手な立ち回りも少なく、弁慶と富樫の掛け合いが中心で各俳優の演技で景色を描き出していくような舞台です。見応えがたっぷりですが、世界に入っていけないと睡魔に襲われるのも納得と思いながらも、最初から最後までしっかりと鑑賞しました。市川染五郎はセリフも少なく後ろに控えていることが多いのですが、セリフを発する時は初々しさがいっぱいで可愛らしかったです。松本幸四郎はとにかく一生懸命さが伝わってきました。武蔵坊弁慶というと厳つく大柄で暴れ坊で迫力満点というイメージですが、理知的な主人想いの家来という雰囲気で少しイメージとは違いましたが、堂々たる姿に好感が持てました。演技もだいぶ太くなってきて、これからが楽しみです。
それにしても、4時間を超える舞台は贅沢でもあり、おいそれと観に来れない感じですが、面白い演目があればぜひまた足を運びたいと思いました。
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