虹色空間から~

日々の生活で興味あることを綴ります

薬丸岳著『友罪』

本の紹介
収録作品:友罪
出版社:集英社
初版発行:2013年5月10日
物語:益田純一は新しい部屋を借りるための金を貯める目的で「カワケン製作所」というステンレスを加工している会社に就職した。一緒に採用された鈴木秀人は仕事は出来るが人と関わろうとしない変わった人物だった。最初は鈴木に対して快く思っていなかった益田は徐々に鈴木の良さを知り、仲良くなっていく。だが、鈴木は14年前に日本中を震撼させた殺人事件を起こした犯人で少年院を出所して名前を変え社会復帰をしていたのだった。
 
感想
何気なく読み始めたのに、物語に引き込まれ、最後まで読みきってしまいました。
読み終わると様々な思いがあふれてきました。その中で核心にあるのは、罪を犯すということ、罪を償うということ、とは何なのか?です。人は人生の中で様々な罪を犯しています。登場してくる人物たちもそれぞれが罪を抱えています。裁判で裁かれることだけが罪ではないこと、罪と向き合わなければ償い成長していはいけないこと、に改めて気づかされました。
また、殺人事件を起こした人が社会復帰して目の前にいたら、どうしたらいいのだろう?と今まで思ったことのないことを考える機会となりました。めったにないことですが、これから出会いが無いとは限りません。その時自分はどうするのだろうか?いろいろ考えましたが想像でませんでした。でも、その時が来たら、この本がヒントを与えてくれる気がします。
いつまでも心に留めておきたい一冊になりました。