虹色空間から~

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東京バレエ団 『ザ・カブキ』

【鑑賞データー】
東京バレエ団「ザ・ブキ」<全2幕>
音楽:黛敏郎
演奏:特別録音による音源

日時:2016年10月14日 19:00開演
劇場:新国立劇場・中劇場
座席:1階S席
出演:柄本弾(由良之助)/上野水香(観世御前)

【物語】
歌舞伎の「仮名手本忠臣蔵」をもとに創作された。現在の青年が“忠臣蔵”の時代にタイムスリップし、高師直から受けた侮蔑に耐えかねて刀で切り付けたことで切腹となった塩谷判官の無念を晴らすため、サムライ“由良之助”となって、主君の仇討ちを果たす。

【感想】
ずっと一度は見てみたいと思っていました。念願が叶いました。
歌舞伎をモチーフとしているので、最初から和テイスト満載なのかと思っていたら、現在の東京から始まり、度肝を抜かれました。チカチカする現在の東京…一本の刀から忠臣蔵の世界へ、由良之助とともに引きずり込まれました。最初は何が何だか分からず様子眺めです。しだいに拍子木やツケそして唄が聞こえてきて、歌舞伎の雰囲気がでてきました。
バレエのストーリーは全く知らずに見ているので、由良之助と一緒に忠臣蔵の世界に戸惑いつつ、状況把握に勤めました。ドラマや歌舞伎で見てはいるので、何となくここはこのシーンかな?と思えたので、展開には何とかついてくことが出来ました。
由良之助は最初は少し軟弱な感じでフワフワした線の細い踊りでしたが、主君の切腹から力強さを発揮しだし、オッ踊りが変わったとびっくりしました。演じている柄本弾は全幕物の主役として見るのは初めてだってと思いますが、とても魅力ある踊りをしていました。どんな激しい踊りでも安定していますし、パワーを感じる反面、踊りに色気があって、柔らかさもあります。顔の表情も豊かで、思わず引き込まれるように見つめてしまいました。すっかりファンになってしまいました。
一番印象に残ったのはクライマックスの討ち入りのシーンです。雪降る背景に、お馴染みの討ち入り衣装に身を包んだ浪士たちが整然と並び立つ姿は絵画のように美しかったです。バレエ美を見せつけられました。バレエが舞台芸術であるといのを改めて感じることが出来ました。
1回ではわからないことが沢山ありますので、機会があればもう一度、鑑賞したいと思いました。