虹色空間から~

日々の生活で興味あることを綴ります

映画『こんにちは、母さん』

監督:山田洋次

出演:吉永小百合大泉洋永野芽郁田中泯/寺尾聡

製作国:日本

製作年:2023年

 

【物語】

大会社の人事部長である神崎昭夫(大泉洋)は、会社内のリストラ業務、妻との別居、反抗的な大学生の娘への関係、日々頭を抱え生活をしていた。そんなある日、母・福江(吉永小百合)が足袋屋を営みながら暮らす下町の実家を久々に訪れる。下町の住民たちとボランティア活動に勤しむ母の様子が何となく変化していることに気がつく。娘が実家で母と暮らし始めたこともあり、昭夫も度々実家に顔を出すうちに、気持ちに変化が生まれてくる。

 

【感想】

山田監督の思いがたくさん詰め込まれた盛りだくさんの内容なのに、ゆったりと情緒あふれる仕上がりになっていました。そんな雰囲気が疲れを吹き飛ばし、ホッとした明るい気分にさせてくれる作品です。人と人との心の触れ合いを丁寧に描かれているからなのかな?と思いました。出演の俳優も皆、個性と味わいがあって、どの場面を切り取っても輝いていました。作品のあちらこちらで過去や現代の問題が見え隠れしていて、奥の深さあるからこそ、昭夫と母の関係性の発展が薄っぺらではなく素敵なものとして心に伝わってきました。山田監督は高齢なので、今後どれだけ作品を作られるか分かりませんが、次回以降も期待したいです。

映画『君たちはどう生きるか』

監督:宮﨑駿

声の出演:山時聡真/菅田将揮/木村佳乃柴咲コウ木村拓哉

制作国:日本

製作年:2023年

 

【物語】

 戦時中、母親を火事で失った11歳の少年・眞人(山時聡真)は父・勝一(木村拓哉)とともに東京を離れる。到着地で待っていたのは新たに母親となった、亡き母の妹・夏子(木村佳乃)と和洋折衷り園庭屋敷「青鷺屋敷」だった。複雑な感情を抱く眞人に、不気味な青鷺が何かとちょっかいをかけてくる。青鷺を追ううちに、園庭の奥に秘密めいた建物があることを発見する。

 

【感想】

 深みのある風景、生き生きとした登場人物たち、生き物たちの1つ1つの動作の美しさ、静と動のバランスとメリハリ、等々…随所に宮﨑駿の作品らしさを感じました。 公開前に情報が伏せられていたこともあって、公開後も映画を観る前は極力情報に触れないようにしました。観終わって思ったのは、フラットな真っ白な気持ちで作品を感じ取って欲しかったのではないか?ということでした。作品の内容については様々な解釈ができます。しかし、観た人一人一人が思った解釈でいい、人から与えられたものではなく自分の中で答えがあればいい、自分で考え決めていくことが大切というメッセージではないか?私はそのように感じ取りました。

 

 

セ・リーグ公式戦2023 巨人vs広島

【観戦データー】

日時::2023年7月12日(水) 18:00試合開始

球場::東京ドーム

座席::外野ビジター応援席

 

【試合結果】

 巨人 0-2 広島

 勝ち投手:森下 負け投手:グリフィン

 

【感想】

 東京ドームがリニューアルされてから初めてのプロ野球観戦となりました。WBCの時は観客が多すぎでドーム内を見て回る余裕もないほどでしたが、試合開始1時間前に到着して、ぶらぶらと歩いてみました。全体的な印象は売店を含め煌びやかになったなぁということ。正面入り口付近には映像が流れるコーナーがあり、写真をとるファンも多くいました。残念なのは、2Fのコンコースにボックスに囲まれた席ができて、歩きながら試合の様子気軽に見られなくなったこと。球場の様々な場所で野球を観る事も楽しみの一つでもあったのでとても残念でした。

 試合の方は初回から中盤にかけては森下投手がランナーを多く出し、併殺もからめて何とか抑えるという展開。簡単にヒットを打たれたり、ボール先行だったり、調子が良いようには思えませんでした。しかし、ランナーが出ても粘られることが少なく、球数も少なく何とか0点でしのぎました。森下投手が頑張っているうちに、広島も何とか得点を…と思っていても。ランナーが出ても後が続かずでやはり0点が続きます。そして迎えた5回表、小園選手のツーランで先制!外野は人垣で打球の行方が最後まで負えないので、歓声でホームランを知りました。まさかの一発でした。この得点を、終盤調子が上向いた森下投手が最後まで投げ切り見事に完封勝利!最後の打者の岡本選手にヒットを打たれたものの、レフト大盛選手の素晴らしい返球で2塁タッチアウトでゲームセット。守り勝った試合でした。

写真は勝利のハイタッチをかわす選手たち。席から見える視界がポールと重なっていたので、打席の様子が分かりにくい時があったのが残念でした。

ヒーローインタビューは小園選手かな?と思っていましたが(守備も難しい打球を処理して併殺をとったりしていたので)、森下投手でした!画面に映るだけで、爽やかな雰囲気になりました。

 

映画『怪物』

監督:是枝裕和

出演:安藤サクラ永山瑛太/黒川想矢/柊木陽太/田中裕子

製作国:日本

製作年:2023年

 

物語:

 大きな湖のある郊外の町で、シングルマザー・麦野早織(安藤サクラ)は小学5年生の湊(黒川想矢)を愛情をこめて育てている。最近、そんな息子の様子がおかしいと感じていた。学校でいったい何がおこっているのか?どこでもあるような子供たちのけんかなのか?様々な疑問を抱え、早織は学校を訪れる。

 

感想:

 この是枝監督の作品はデビュー作以来の他者による脚本での映画作製となったとのこと。各人物の内面を丁寧に描き出すいつもの雰囲気はそのままに、冒頭からミステリアスな緊張が常につきまとい、一瞬の油断が物語のヒントを失ってしまうかのような計算された緻密さは、今までにない感じで、脚本家の存在あってこそと思いました。

 また、『怪物』というタイトルが素晴らしかったです。鑑賞中、『怪物』というキーワードが頭をかすめ、自分中でどんどんと物語を深読みしていきました。同じシーンが視点を変えて描かれるので、少し答え合わせみたいなこともできますが、それでも『怪物』の謎は深まるばかり…最後に1人1人が描く『怪物』の姿とは?様々な『怪物』が姿を現すのではないかと思います。

天覧山ハイキング

2023年4月12日(水)、午後から天気が崩れるとの事で、午前中の時間で簡単に登れる天覧山へ行ってきました。登山口付近には2020年秋にオープンしたという発酵食品をテーマにした複合施設「OH!!!」があり、花が綺麗に咲いていました。

左が発酵食品のセレクトショップ「八幡屋」で右が発酵デリカフェ「Piene」です。「Piene」の右側の小道を抜けると、天覧山の登山口にでます。

天覧山中段までは舗装された道路が続きます。道幅が狭くなったあたりから勾配が強くなり、ふくらはぎが張ってきました。少し頑張ると、すぐに開けた広場に出ました。

もう、頂上?と思ったら、ここは中段で、トイレ休憩が出来るようになっていました。また、天覧山の先にある多峯主山や高麗の方へと続く奥武蔵自然歩道への分岐点ともなっています。

中段を過ぎると山道らしい雰囲気になりました。そして、すぐに分かれ道がありました。頂上まで2方向から行けるようでしたので、看板がある左側の道へ進みました。

看板は「十六羅漢像」の説明文で、五代将軍徳川綱吉か重い病気にかかった時に能仁寺(天覧山のふもとにある寺)の和尚が祈祷を行い、病が回復したことから、生母である桂昌院が感謝のしるしに寄進したとのことです。ひっそりとした佇まいの石像が点在していました。

ここを通り過ぎると、ゴツゴツした岩場の道となります。少し足元が悪い中登っていくと、頂上に到着しました。

標高195mの山ですが、意外と変化に富んでいて、面白い山だなと思いました。現在は天覧山と呼ばれていますが、明治天皇が近衛兵の演習を総監したことに由来してい、愛宕山羅漢山天覧山と名前が変わっていったそうです。

遠くの山はかすんで全く見えませんでしたが、195mの標高にしては見晴らしはとても良いです。ひと時、眺めを楽しみました。下山はやや緩やかなもう一つの道を通り、足取りも軽やかに、10分ほどで降りてきました。

 

都立浅間山公園ハイキング

2023年3月29日(水)、多摩霊園に隣接する都立浅間山公園を歩きました。沢山の桜が咲く多磨霊園で花見を楽しんだ後、きすげ橋を渡り公園へ入りました。

今回は多摩霊園の25区から橋にむかいました。入口には案内板等はないので、場所から当たりをつけてすすみました。

多磨霊園の中は桜も新緑もとても綺麗で自然を楽しめます。

緑に囲まれたきすげ橋を進むと公園に入ります。

案内板で公園内の道を確認。浅間山は3つの山からなっています。まずは一番近くて高い堂山へ向かいます。

頂上には小さな鳥居と祠があり、これが浅間神社です。

堂山山頂にはここにしか自生していないムサシノキスゲが見られます。花が咲くのは5月とのことで、今日は青々とした葉が綺麗でした。

次に2番目に高い中山へ。椅子が置かれていたので、ここで一休み。新緑で柔らかな光が降り注ぎ、鳥の声が聞こえ、気持ち良い時間を過ごしました。

富士山が見えるスポットもありました。今日は雲も多く、残念なから、富士山は全く見る事ができませんでした。

最後に前山の山頂に到着。無事に浅間山を制覇できました。ここから山を下り、なだらかなすその道を歩いてきすげ橋を渡り多摩霊園へ戻りました。ゆっくりと歩いて約1時間のハイキングを楽しみました。

ABCラジオ『今村翔吾×山崎怜奈の言って聞かせて』公開収録

 2023年3月25日(土)、千代田区ワテラスコモンホールで行われたラジオの公開収録に参加してきました。ABCラジオは大阪のラジオ局、さらに深夜に放送されているため、このような番組の事は全く知りませんでした。今村翔吾先生は「塞王の楯」で直木賞を受賞、この作品はブログでも紹介しましたが大変面白く読みました。そして、ゲストは小川哲先生、「地図と拳」で先日直木賞を受賞しました。どんなトークが聞けるのか、偶然目にした参加者募集にすぐに応募しました。

 3回分のラジオ収録が約2時間ほどかけて行われました。もう一人のパーソナリティーである山崎怜奈さんは元乃木坂46とのことで、とてもほっそりとした清楚な雰囲気でしたが、話しをすると場を仕切るのがとても上手で感心しました。今村翔吾先生は関西弁で軽快に話をするので、コントラストがとても良かったです。

 

 3月30日放送分のゲストは鎧兜甲冑工房「丸武産業株式会社」の田之上社長。これゲストは知らなかったので、会場にいきなり甲冑が運び込まれてびっくりでした。今村翔吾先生も武田信玄の甲冑姿で登場。重さは5kgほどあるそうです。立ったり座ったりするときに「ガチャガチャ」と音がしましたが、武将クラス甲冑はは鉄に皮を巻いて漆を塗ったもので作製されるため、音はあまりしないとのことでした。写真は右が伊達政宗の甲冑、中央が今村翔吾先生、左が徳川家康の甲冑です。

 4月6日放送分から小川哲先生が登場しました。小川哲先生はSF分野の小説、今村翔吾先生は歴史分野の小説、仲の良い作家付き合いも違い、接点は無いとのことでした。話の中身は作品内容よりは物語をどう構成していくか?に今村翔吾先生が興味津々で、お2人ともプロットは作成せずに書くため、誰が最後まで生き残るのか、書いてみないと分からない等共通する部分も多く、話が盛り上がっていました。

 4月13日放送分は「私を構成する一冊」のコーナー。小川哲先生が持ってきた本の話題はそこそこに、話が脱線していました。特に興味深く聞いたのは盗作について。作家さんが読むと盗作かどうか一発で分かるとの事。さすがプロだなと感心しました。小川哲先生も話が上手で、頭の回転が良く、今村翔吾先生の下手すると取り留めなくなりそうな話をしっかりと軌道修正していて、楽しいトークを聞けました。

 

 

 

 

 

 

ISU世界フィギュアスケート選手権大会2023


【観戦データー】

 観戦日:2023年3月24日(金)・25日(土)

 会場:さいたまスーパーアリーナ

 座席:C席

 

【競技結果】

 <24日>

  ・アイスダンス(リズムダンス)

    1位マディソン・チョック/エヴァン・ベイツ組(アメリカ)

    2位シャルレーヌ・ギニャール/マルコ・ファブリ組(イタリア)

    3位パイパー・ギレス/ポウル・ポワリエ組(カナダ)

  ・女子シングル(フリー)…総合順位

    1位坂本花織(日本)

    2位イ・ヘイン(韓国)

              3位ルナ・ヘンドリック(ヘルギー)

 <25日>

  ・アイスダンス(フリー)…総合順位    

    1位マディソン・チョック/エヴァン・ベイツ組(アメリカ)

    2位シャルレーヌ・ギニャール/マルコ・ファブリ組(イタリア)

    3位パイパー・ギレス/ポウル・ポワリエ組(カナダ)

  ・男子シングル(フリー)…総合結果

    1位宇野昌磨(日本)

    2位チャ・ジュンファン(韓国)

    3位イリア・マリニン(アメリカ)

 

  

23日にはペアの三浦璃来/木原龍一組(日本)も初優勝し、男女シングルは2連覇を達成。地元開催で、声援を力に変えて3種目で日本勢が優勝しました。素晴らしいです。

 

【感想】

 声出し応援が解禁され、選手一人一人に声がかけられ、熱気あふれる雰囲気が戻ってきました。アイスダンスでは村元哉中/高橋大輔組が出場とあって、開始から席が7割ほど埋まっていました。アイスダンスの魅力がコアなファン以外にも浸透してきた印象を強く受けました。逆に女子シングルより観客が多いぐらい…びっくりでした。北京オリンピック後の上位選手の引退と、ロシア選手の出場が禁止された影響で、誰が表彰台にあがるのか?どんな順位となるのか?予測がつかない大会でもあり、とても興味深かったです。その中でも優勝候補に挙げられた日本選手が、プレッシャーに打ち勝ち、勝ち切る姿はとても感動しました。

 

 

2023 WBC 1次ラウンド 東京プール 韓国vs日本

【観戦データー】

日時:2023年3月10日(金) 試合開始19:00

球場:東京ドーム

座席:1塁側1階席

 

【試合結果】

韓国 4-13 日本

勝ち投手:ダルビッシュ  負け投手:K.H.キム

 

 

メジャーリーガーの参加で盛り上がる今大会。球場の内外とも人であふれていました。レプリカユニフォームはやはり大谷選手のものが目立ちました。

韓国戦の先発はダルビッシュ選手。登板前にストレッチをしたり、遠投をしたりと外野で調整していました。

試合開始前にほぼ満員の観客で埋まり、大きな声援を受けて、試合が開始されました。鳴り物での応援も復活し、球場全体で選手の応援テーマやチャンステーマにのせて声援を送る懐かしい応援スタイルを久々に体感しました。

両チームの本日の先発は以下のようなメンバーでした。

注目の大谷選手も3番DHで出場。スイングが鋭く、打球スピードも速く、オーラが漂っていました。

試合は3点を先制されましたが、直ぐに逆転。その後も制球に苦しむ韓国の救援陣を攻略し着実に得点を重ねての勝利。勝利後のハイタッチでは偶然にも大谷選手と佐々木選手(右側の背の高い2人)がハイタッチしている姿が写真に納まりました。

本日のヒーローはヌートバー選手。先制打あり守備のファインプレーありでチームを盛り上げてくれました。インタビューのコメントも緩急がきいていて、会場を盛り上げていました。本当に素晴らしい選手!今後の活躍がますます期待されます。

前半は少し重苦しい雰囲気が漂い、国際試合ならではでした。しかし、日本の選手たちは実力を存分に発揮して勝利。このままの勢いで優勝を目指して頑張って欲しいです。

高尾山ハイキング

2023年2月8日(水)、東京都に住んでいて、一度は高尾山に登らなければとずっと思っていましたが、ようやく実現できました。

登山が苦手な私は山腹までは当然ケーブルカーを利用しました。写真は麓にあるケーブルカーとリフトの駅舎と右の道が1号路(表参道コース)、メインコースの入口です。山腹まで約1時間、結構な急斜面を昇るようです。

往復950円の切符を買って、さっそくケーブルカーに乗り込みます。ケーブルカーの中は勾配のある階段状の作りとなっていました。出発すると角度ある斜面を力強く進みます。終点間際には日本一の傾斜31度18分に差し掛かると、体が下方に傾きます。「こんな急斜面の登山は無理」と改めて思いました。

ケーブルカーを降りると、さっそくルートをチェック。薬王院を通る1号路を進みます。道はなだらか、シーズンオフのため、人も少なく、マイペースで進むことができました。

少し興味を魅かれた、『さる園・薬草園』を通り過ぎ、大きな杉が現れます。有名なのが『タコ杉』。根本が膨らみタコのようです。

先に進むと、男坂と女坂に分かれる地点に到着。男坂は階段が見えたので、女坂を選択。ここから少し道が険しくなります。坂を上り切ったところに、脇道があり、登ってくと仏舎利塔がありました。

仏舎利とはお釈迦様の骨が安置されている建物です。メインコースから外れるので、人の姿はほとんどなく、ひっそりとたたずんでいました。ここで、登山の安全を願いました。再び1号路に戻り、薬王院を目指します。

立派な杉並木を眺めながら進んだ先に、薬王院の山門が現れます。山門には四天王が安置されていました。山門をくぐると、天狗様がお出迎えです。

高尾山は天狗信仰の霊山として有名で、本堂や本社の前にも小さな天狗がいました。薬王院は階段に次ぐ階段で、だんだんと息切れが強まります。そして、一番上にある奥の院こと『不動堂』に何とか到着。

現本堂の場所に会った護摩堂をこの場所に移して不動堂にしたとのことです。17世紀後半ごろの建物で、東京都指定有形文化財でもあります。小さくひっそりとただずむ風景が良い感じです。この不動堂の奥から山頂までは10分ほど。少しアップダウンのある道を進むとようやく山頂に到着です。

天気は曇り空のため、大見晴台からは富士山は見えず、手前の山々も霞がかかり、眺めは今ひとつでしたが、山頂までたどり着いた達成感がありました。山頂の茶屋で名物の『とろろ蕎麦』を食べ、一息入れてから下山しました。コース中に椅子も多く設置され、観光名所も点在し、一休みできる場所も多く、初心者には登りやすいコースでした。